いち麦

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのいち麦のレビュー・感想・評価

5.0
離れ業の様なカンニングをリズミカルな演出でスリリングに見せ切る。その奥からリンとバンクの持つ屈折感を対比的に浮かび上がらせていく人間描写の味わい。キャスト勢の生き生きとした表情も魅力大。

ドラマとしての魅力は、同じカンニング・チームで手を組んでいながらも精神的には一枚岩じゃなくて、リンとバンク組みと、グレースとパット組みの間の絶望的なまでの隔壁をしっかり滲ませる処。皮肉なラストも痛たまれない。

リンを演じた、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン。スタイル抜群でモデルさん上がりだそうだが、表情表現の上手さは映画初出演とは思えないほど…素晴らしい。引き出した監督もお見事。

スマッシュ・ヒットを受けて続編も有りかな。ラストは二面性も含みも充分ある着地だから、再離陸可能だと思う。
いち麦

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