ジャッキーケン

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

4.1
タイ映画で真っ先に思いつくもの「トニージャー」「ムエタイ」「チョコレート」
アクション映画で一世を風靡したタイ映画のイメージを根本から覆すのがこの映画。
この映画によってタイ映画全体にスポットを当てられるだろう。
カンニングを描いてるのでアクションは一切ありませんが面白い!

小1から高1の間ずっとオールAを取り続けてきた優等生が金持ち学生に頭脳と引き換えに金を得る。クライム映画そのもののシナリオでピアノ演奏による手の動きで答えをカンニングする手口はスタイリッシュ
消しゴムを靴の中に入れて後ろの席に渡す手口は単純そのものだけど中学時代にこの映画を見ていたら僕が解答を受け取る側で真っ先に真似していましたね。

優等生の主人公と貧乏の苦学生バンクの対比やシドニー試験での暗記劇はすごくハラハラさせられたし現地のタイで待つ金持ちのリアクションも面白かった。結局金持ちは金で物を制すが金が欲しい奴は最後まで翻弄されていく貧富の弱肉強食加減が胸糞悪い。
手を汚した主人公が真っ当に生きていこうとするのと対峙してダークサイドに堕ちていく対比

最初のピアノ演奏からもう一捻り欲しかった。主人公が悪に染まりきれないところが歯止めがきいてしまって惜しいと思いました。

爽快な騙しを観たい人にはあまりオススメできないかも最初こそ見事カンニングに成功する様に爽快さを感じますがシドニー試験では緻密に練った計画がてんやわんやして追われる側のスリラーになるので「オーシャンズ」シリーズ的なスカッとはありません。

一度手を染めてから計画そのものがどんどん巨大化していき天才が悪知恵に使いまくる主人公リンが「ウルフオブウォールストリート」のジョーダンベルフォートのように見えた。