うるぐす

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのうるぐすのレビュー・感想・評価

4.0
この作品を「タイ映画」のジャンルに入れるのは不適切なような気がした。タイ映画を観たことないから知らないんだけど、カットも映像もクセがあるわけでもなく、スピーディでおもしろくてダイナミック。普段目にすることの多い映画となんら遜色ない。

カンニングというテーマひとつで押し通すシンプルさ。ただし、やり方が実に大胆。

主人公の頭のよさに、周りの登場人物と、我々観客は付いて行かざるを得ないし、気づいたらカンニングはダメだという登場人物に「なにくだらないこと言ってんだよ」「そんなの綺麗事だろ」と思わされてハッとする。
ただ、それほどまでに作戦を立ててそれを実行する過程を見せられると、「それ突っ込むのは野暮でしょうよ」と自分にある謎の一面が顔をのぞかせる。

で、撮り方も面白くて、「ペンタゴンペーバーズ」のポスターの2人と全く同じ構図があったり、「オーシャンズ」を思わせるカットもあったかな。
横顔を徹底的にクローズアップしたり、面白い、素敵な構図がいっぱいあったのも印象的。




これから観た人に配慮して言うけれど、
僕は、彼女らの野心的で、戦略的なやり方を見ていると、最後のシーンは、アレではなかったなあと思う。むしろ、笑ってOKして欲しかった。
それくらいに振り切ってもよかったんじゃないかな、と思ってラストだけモヤっとした。

あと、オーシャンズっぽいと言う意見が多かったけど、それなら、トラブルっぽいのも計算であって欲しかったなあと思う。


けど、まあ、面白かったな、とは思います。
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