りさ

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのりさのレビュー・感想・評価

4.1
馴染みのないタイの映画で、しかも都会じゃないとやってないから、普段だったらまず選びそうにないのですが、フィルマークの皆さんの評判が高いので気になって、スカイラインとまとめて観てきました。
結論としては観てよかった!!

最初は単に親友が困ってるから、という理由だけだったのに、次第に話も金額も大きくなっていって、深みにハマってしまう。
これ、彼女の根本が真面目で努力家だからこんなに成功してしまったわけで、例えばテストが二種あるとわかった時点で片方を見捨てればよかったものを、そうしないで捨て身な勢いで頑張ってしまったのがまずかったのではないかな。
お金も理由ではあるにしろ、勉強自体に困らない分、頭を振り絞って知恵で乗り越える、という行為をそっちの方向へ振り分けてしまったのかな……なんて、勉強に苦労した人間にはわからない部分ですが(笑)。

リンはけして美人ではないけど目力ある俳優さんで、じっと人を見る視線が印象的でした。グレースはとにかく可愛い。あざとい可愛さ。バンクもよかった。基本が実直で真面目な性格ゆえの変化は切ない。

カンニング、という不正なことをやっているのに、危機の度にすごい手を考えて切り抜けていくリンをついつい応援してしまうのですが、結末は……。
娘に精一杯のことをしてやりたくて懸命に生きてるお父さんが本当に優しくて、空港のシーンだけでも泣けたのに(ご飯食べようっていうセリフが、お父さんなりに一生懸命に受け止めて口にしたんだろうとわかるだけに)、ラストの廊下のシーンなんて……。思わず泣いてしまいました。


それにしてもこんなにハラハラしてヒヤヒヤする映画だなんて思ってもいませんでした。オーシャンズよりずっとスリリング。
言葉が全然わからないのでひたすら字幕頼りなのでニュアンスはわからないですが、それでも充分き面白くてスリリングで心臓に悪くてホロリと泣けるので、是非。
りさ

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