こうん

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのこうんのレビュー・感想・評価

4.0
端的に、面白かった。

面白かったけれども、表層的な面白さに終始していた印象が強いかな。

頭はいいけどお金がないゆえに歯を食いしばらなきゃならない少女の青春ピカレスクロマンとして滅法面白いし、主人公リンちゃんの感情劇場の只中で中腰で拳握りしめて応援しちゃうんだけど、チーム犯罪ものとしての見せ方に重心が置かれてしまっているのがもったいなく、サスペンス引き伸ばしのための演出が続くシドニーの山場では「あーあ」となっちゃったかなー。

リンちゃんとバンクの関係なんかすごい良かったし、彼らの顛末は味わい深かった。
それゆえにジャンル映画としての展開や拙さや小手先の見せ方が勿体無いと思いましたねー。

しかし!
リンちゃん演じるチュティモン・ジョンジャルーンスックジンさんの顔だち、立ち姿、頸の角度やちょっとした仕草、声、表情!
シネマティック!
撮り方も良いのだろうけど、イチイチサマになるんだよね。彼女がスクリーンの中で動いてるだけで映画になるっていうね、そういう存在になっていると思います。
俺の中でジージャー・ヤーニン並みの逸材。

リンちゃんのこの映画の後の物語が知りたいなー。

ところでバカ学生パットを演じた役者さんの名前の響きがいい。
スパパンピンヨー!
こうん

こうん