バス行っちゃった

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのバス行っちゃったのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

撮り方や音楽の使い方など、見せ方がこれぞエンターテインメントという感じで超楽しかった。

まあ、主人公とバンクの鏡像関係みたいなもののバランスが悪くて、理由や事情に共通するところはあるものの、自ら手を汚した主人公と、その主人公の悪事に巻き込まれた形のバンクとでは、負うべき責任に歴然とした差ができてしまっているため、最後の主人公の改心が自分勝手なもののようには思えてしまい。

ただこれも、本当に悪事の教訓とさせたいなら、改心して救われる主人公よりも、泥沼にはまっていく主人公を描いた方が効果的なように思えるので、そうはしなかったことの意味をつい妄想してしまう。

そうなると最後の白い部屋にいる主人公の姿も真に有利な立ち位置を嗅ぎ取った故のもので、多分本人も意識していないからこそ観客の側にも見破れない究極的な悪事の表現であったのではなかろうかいなどとも考えてしまい、ハッピーエンドに糖衣されたエゲツなさを勝手にでっち上げてシビれてしまったり、差し込む光で輝くお父ちゃんの頭頂にすら皮肉な意味合いがあるののではないかと勘ぐってみたりなんだりして、いやあ一粒で二度も三度もおいしかったなあと。