ワイカ

ザ・シークレットマンのワイカのレビュー・感想・評価

ザ・シークレットマン(2017年製作の映画)
4.2
終始ヒリヒリした緊張感が漂い、最後まで釘付けになりました。

何年も前に映画「大統領の陰謀」を見たり、ボブ・ウッドワード氏の「ディープスロート」を読んだりしていたので、ウォーターゲート事件の大まかな基礎知識は持ってるつもりで見ました。それでもこの事件は難しいし、登場人物も多いからよく分からないところも多くて、もう少し勉強してから見た方が楽しめたと思ったのも事実です。その点はペンタゴン・ペーパーズの方が、スピルバーグ監督だけあって分かりやすく描かれていて良かったかな。

ただ、これまで知らなかったマーク・フェルト副長官やFBI内部の苦悩も描かれていて、勉強になりました。フェルト氏は事件だけでなく、家庭にも問題を抱えていたことを知り、人間味を感じました。リーアム・ニーソンにぴったりの渋い役でした。

ちなみにフェルト氏は、正義感より長官になれない恨みを晴らすため(または長官代理を追い落とすため)に情報をリークしていたという話も読んだことがある気がするんですが、どうなんでしょう。

何はともあれ、ペンタゴンペーパーズに続き、当時の米政権の酷さ(たぶん今はもっと酷いんでしょうけど)が分かる素晴らしい映画でした。フーバー長官時代のFBIの暗部も怖いと思いました。こういう映画が作れるのはアメリカの良さですね。

ところで、しがないヤクザな脇役の帝王(?)トム・サイズモア(いつもマイケル・マドセンとごっちゃになる)を久々に見ました。大統領の腹心とは出世しましたね。性格派俳優っぽい雰囲気を出していて存在感ありました。これからさらに頑張ってほしいなぁ。
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