140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ザ・シークレットマンの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ザ・シークレットマン(2017年製作の映画)
3.5
【リーアム・ニーソン塩味】

最近めっきりとオヤジアクション俳優の名を欲しいままにして、べっとりとしたタレ漬け映画に出演しているリーアム・ニーソン。本作では実在した最強の内部告発者マーク・フェルトを、暗い画面に映える顔の彫りに落とす影で、悲壮的にかつ正義と狂気の表裏性にて演じている。「ウォーターゲート事件」に付随した時代背景、「ペンタゴンペーパーズ」やFBIの当時の設定など予習ないし観賞後の復習をしないと淡々に映画の味が喉を通りすぎてしまうため、爆発的なカタルシスよりかは、秘密が露呈されるまでの緊張感や本来真摯に仕事に打ち込んだ者の逆位置的なエネルギーの凄みを感じる作品。もっとエモい方が気持ち的に上がるのだが、そこは枯れ行く男のロマンに浸れるスピード感たった。


追記)
これは正義のヤンデレ男の映画なのではないかと?30年間尽くした組織の腐敗を許せなく、自分の責任のもと、自分で葬りさる男気ヤンデレ感にラストカットでふと気づかされて感動的な気持ちが起きたのかもしれない…