和桜

ザ・シークレットマンの和桜のレビュー・感想・評価

ザ・シークレットマン(2017年製作の映画)
3.9
B級アクション映画のタイトルみたいな邦題だけど、「Mark felt」という原題通りFBI副長官による内部告発を扱った実話映画。

正直、めちゃくちゃ面白かった。好きな人には堪らない映画。
『ペンタゴン・ペーパーズ』『大統領の陰謀』と同じ時期に同じ時代を扱った映画が重ねて出るのは、明らかにニクソンの権現とも言えるトランプさんの影響で、危機感はわかるものの映画をそう使って欲しくはないと映画史を考えた上でも思ってしまう。
だけどそれを差し引いても、サスペンスとして大満足。確かに地味かも知れないけどめちゃくちゃ濃くて、リーアム・ニーソンも適役過ぎた。アクションなしでも、こういうリーアム・ニーソンがもっと見たい!

序盤で新しい長官を巡る駆け引きから入ったのがまた良い。人となりが他者の評価ややり取りから分かり易く伝わってくる。
地味に好きなのが「長官があなたを大事にした理由。いつも同じ敵と戦ってきた、それが理由よ。」とズバリな言葉を放つ妻。『ウィンストン・チャーチル』でも、家族が散々犠牲になってきたのはこの日の為だったと語ってたなと悲しくなった。正反対だけに。

こうした立場の人が権力には屈しないと戦う姿はやはり格好いい。
最近の日本の報道とか見てると、ウォーターゲート事件ってそんなに大変な事件なの?ってくらい感覚が麻痺してたんだと自虐してしまった。
和桜

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