ごてふ

プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレードのごてふのレビュー・感想・評価

3.3
新宿・武蔵野館にて。英国・チェコ合作のコスプレ・音楽モノには、お上品な高齢層の紳士淑女を中心に観客10数名と閑散。全国10館に満たない興行規模もまた寂しい。幼少から天才の名を恣にして35歳で生涯を閉じた音楽家は、クライアントからの楽曲依頼には驚異的な短納期で応える職人でもあったようである。ピーター・シェーファーの戯曲を映画化した≪アマデウス≫が人口に膾炙した格調高い傑作で、作中のモーツアルトが魅力的であるために、どうしても比較してしまう。プラハでの重厚なロケーションや絢爛たる衣装・美術セットに対してお話は少々お粗末。新作オペラの舞台裏も描かれるが、主眼は美貌の歌手をめぐる猟色家のパトロンとの三角関係(色恋)にある。売出し中の主演男優は熱演しているが、敵役とヒロインが弱い。まぁ堅いことはことは云わずに、大音響でオーケストラ演奏と吹き替えだろうが名曲のアリアを聴けたことで良しとするか。
ごてふ

ごてふ