Hagieen

ビサイド・ボウイ ミック・ロンソンの軌跡のHagieenのレビュー・感想・評価

3.6
ジョン・ブリューワー監督、ミック・ロンソン出演

デヴィッド・ボウイの初期作品で音楽的パートナーだったミック・ロンソン。
ボウイのペルソナのジギー・スターダストやアラジン・セインの傍らでギターとアレンジで貢献し一時代を築く。
変化を求めたボウイはバンド:スパイダー・フロム・マーズを解散し、ロンソンはソロに転向、モット・ザ・フープルへの合流やイアン・ハンターとの活動など、本人と当時の関係者の証言と共に、ミックの仕事の軌跡を振り返る。

デヴィッド・ボウイに関してはその死後に行われた大回顧展『DAVID BOWIE is』を見に行ったり、過去のインタビューをまとめた本などを読み、その活動や思想などに触れてはいた。
初期のグラム・ロック期はリアルタイムでは見ていないので、映画「ジギー・スターダスト」で補完。
70年代でのユニ・セックスぶりとジギーのコンセプト、ロンソンとの音楽などその先進性は、それは人気が出ただろうなというのは想像に難くない。
安泰路線をあっさり捨て去るのもまたボウイ。常に変化を求める姿勢は稀有な存在だと思う。

ロンソンはボウイと共にスターダムに登ったものの、いち早くチェンジしてしまったボウイの感覚から取り残されてしまう。
音楽的な部分での多くを担ってただけに、フロントマンだったボウイ同様に路線を変えていくのは難しかったのだと思う。
単なるギタリストだけではなくアレンジャーもこなす才能で、その後プロデュースをしたりボウイと再合流したりで活躍するも肝臓がんを患い亡くなる。

スパイダー・フロム・マーズ期がもう少し長かったらとか、再結成したらどうなったか、などとも思わないでもない。
それだけ魅力的な世界感を作り上げていた。
フロントマンに光が当たりがちだが、こうして映画を作られ語られることに意義があると思う。
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