藍住

30年後の同窓会の藍住のネタバレレビュー・内容・結末

30年後の同窓会(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

傷を抱えておじさん3人が、再会して、折り合いをつけに行こうとする話なんだけど、なんでこんなに悲しくて、やるせなくて、涙が止まらないのか分からない。
戦争は現在進行形で、今もどこかで誰かが戦っている。
母国に帰って来た人も、自分と折り合いをつけようとするために、戦っている。
戦争がこの世界から無くならない限り、一生塞がらない大きな傷なんだろうな、と思う。
この映画のように、政府や軍が嘘で塗り固めた部分あるし、その嘘で誰かが救われているのもある。
その嘘で苦しむ誰かもいる。
ドクが真実を知ったのに対し、自分たちが過去に犯した過ちを、包み隠さず遺族に話せなかったところが対照的だと思った。
やるせない。

ドク、サル、ミューラーのやり取りに救われるところが沢山あった。
特に、昔の話をしてバカ笑いするところが凄く印象的。
あそこで、本当に昔の彼らを観ているような気持ちになった。
あそこの場面で俳優は誰も居なかった。
ドクとサルとミューラーがワシントンを仲間に引き入れて、昔話をして、笑っていた。
主役の3人がどこまでも完璧で、圧倒された。
素晴らしい化学変化だった。

ラストの葬儀のシーンも良かったな。
ミューラーとサルが軍服に身を包み、ドクの息子を埋葬するシーンも、ドクが息子からの手紙を読んで終わるところも、とにかく泣いた。
ドクはあの後、どうするのかな。
まだまだ先がある人生の中で、サルやミューラーと支えあいながら、生きて行くのかな。
少しだけ希望が見える終わり方で良かった。

もっと歴史を知った上で、もう一度観直したいと思う。
泣きすぎて目が痛い。
でも、良い映画だった。
藍住

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