えむえすぷらす

30年後の同窓会のえむえすぷらすのネタバレレビュー・内容・結末

30年後の同窓会(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

不思議な作品。スティーブ・カレル出演はエンドロールで気付いて驚いた.ともかく無口で表情をあまり変えない役だけど弾けると滅茶苦茶笑い転げるという振り幅の広い役で演技力がないと成り立たない。

原題はLAST FLAG FLYING。戦死者が帰国する際、棺桶を国旗が覆っている事を指すのかなと思った。
父親達も元海軍、元海兵隊。アフリカ系牧師は戦闘時の負傷をしていたようでパープルハートの略綬章を付けていた(紫の長方形状の記章)。そして何か三人だけ知っている秘密がある。

戦死した息子の遺体をデラウェア州ドーバー空軍基地(遺体搬送輸送機の着陸先)に迎えに行く三人。そこでその息子に何が起きたのか分かり混乱が生じる。
その混乱が収まると戦死した息子の同僚だったTDY(一時派遣任務)の上等兵と共にアムトラックの列車でニューハンプシャーの父親と息子の自宅を目指す事になる。

三人と上等兵の会話で物語は進んでいく。とりとめのない普通の会話。その中でふと三人の関係が見えたりする。

息子の望みは父親の望みと偶然の選択の結果、成就してホッとした。
国や軍に対して三人は怒りから拒否をしたが、結局海兵隊大佐の望む結果も一部はもたらされた。
バーテンダーの元海兵隊軍曹は真実を望んだが、結局それを告げる事が正しい事ではない事もあると思わざるを得なかった。
アフリカ系牧師は色々と上手く行かない。彼が行く羽目になった時、元軍曹は展開を予想していたけど、妻が牧師を送り出した最大の理由は遺族の父親を誰が口の悪い元軍曹から守るのかまでは読めておらず爆笑。その後も彼が帰ろうとするととんでもない目に遭わされる。

皆、望む事は果たされない。でも一部は得られる。三方一両損みたいな要素が埋め込まれている。実に不思議。