チーズマン

30年後の同窓会のチーズマンのレビュー・感想・評価

30年後の同窓会(2017年製作の映画)
3.7
「戦死した息子の遺体を引き取りに行く、一緒に来て欲しい。」

そんな唐突な頼み事から始まる、長いこと疎遠だったかつての親友3人組による、中年過ぎた大人の笑いあり渋みありのロードムービー。

『Last Flag Flying』』という原作小説がベースになってるだけあってリチャード・リンクレイター監督作の中でも割とメッセージ性を打ち出したタイプの作品で、旅という過程の中に明確にかなり色々なものを詰めこんであった。
それを好意的に取れば名言が沢山ある深い作品とも言えるんだろうけど、個人的にはそれらを活かすのにはもっと長い旅が必要だったんじゃないかと思った。

しかし役者同士が馴染んだ感じ、映画の中の会話の自然さ楽しさはさすがで、思いっきり笑わせてもらった。


「なんて顔してんだ…」と、ボケっとした顔でカウンターに座ってテレビを見てる常連客に思わずつっこむネルソン(ブライアン・クランストン)のセリフで初っ端から爆笑した。
そのカウンターの常連客の隣に何十年振りに現れたドク(スティーヴ・カレル)のこれまた「なんて顔してんだ」と言えないぐらいの、こちらはギャグで茶化せないほど哀しみで生気を失った顔。
その顔が、旅という時間を通して少しずつ変化していく話だった。

友達にしか救えないものというのは確かにある。
チーズマン

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