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30年後の同窓会のnanaaronのネタバレレビュー・内容・結末

30年後の同窓会(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

仲間を守りたかった。

星条旗の元へ。

もう一度3人は戦いに向かった。

30年前の彼らには、大義も名誉も忠誠心もなく、ただ仲間を守りたかっただけだった。でもそれだけも叶わなかった。

遺恨はもっと別なところにあるのに、国の為に名誉の死を遂げたとか勲章だとか訳の分からないものに丸め込まれ、退役軍人は自分にまっすぐ向き合えなくなってしまう。

宗教とかアルコールで誤魔化すのやめようぜ。

問題はもっと別のところにある。

アメリカ賛美とか、売春婦蔑視とか、そんな切り貼りの印象論でこの映画を霞ませて欲しくない。

表面的なものに惑わされないように。なんで彼らは一緒にダグの息子を弔わなけばならなかったんだろう?

それが、各々にとって必要なことだったからではないか。

大事なのは、それぞれがコンプレックスを解消し、もう一度人生に向き合ったこと。そしてそれが、共に苦杯を喫した仲間とだからこそ達成されたってこと。

清算しに行こう、おれらの戦争を。

嘘を正しにいくんだ。軍にも出来ないし、国にも出来ないこと。

親になって戦争の欺瞞に気づく頃には、息子は戦死している。

かつての自分を埋めるように、息子の棺桶を埋めるダグ。

余計にやるせなく響く亡き息子からの手紙。

これがアメリカのリアルで、アメリカの悲劇なのではないか。非人道的な戦争がもたらす、もう一つの矛盾なのではないか。
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