dm10forever

ブッシュウィック-武装都市-のdm10foreverのレビュー・感想・評価

3.6

【感覚】

なるほど「10カット長回し」が売りだったのか。
その辺を知らずに観たもんだから「なんだか随分1カットが続くな~」と思ってました。

~駅で降りたら、そこは戦場でした~
川端康成か?ってくらいの語り口で始まっちゃいましたが、本当にそれくらい唐突に物語が始まります。
ある若者二人が地下鉄を降り、改札に向かいながら何気ない会話を交わしている・・・本当に何気ない風景。しかし、何かがおかしい。ホームには誰もいないし、構内アナウンスでは「~閉鎖~~~避難~~」聞きなれない言葉も聞える。
(何か変じゃない?)
うっす~ら異変を感じつつも、たまたま人が居ないだけだよと改札を抜けると・・・

ここから「ゲームスタート」です。

というのも「1カット長回し」が、よく言えば「臨場感」なんだけど、今となってはテレビゲームの映像クオリティが凄すぎて、あまり目新しさを感じるほどではなかった。
むしろどちらかというと「『戦争サバイバルゲーム』をリアルに実写化しました」といった方がしっくりくるかなと。

序盤から主人公ルーシー(ブリタニー・スノウ)の行く手をいくつもの困難が襲う。
『敵(黒人×2名)が現れた!』
『ルーシーの攻撃』
『敵は逆上した!』
『ルーシーは捕まった』
『こちらの味方らしい人(スチュープ)が現れた!』
『会心の一撃を与えた!敵を倒した。銃を手に入れた』(テッテレ~♪)
大体こんな感じ。

展開が大雑把というか、強弱をつけずに「ゲーム感覚」よろしく突っ走っていく感じ。
ただ決して悪い意味ばかりではなく、一度もエンストせずに最後まで突っ切ったのは、それはそれで面白かったとも思う。

だけど、やっぱりストーリーや展開がそれほど目新しいものもなく、映像的にも今やゲームで十分似た様なものは観ちゃってるしな~と感じちゃいました。

設定的には面白かっただけに「もうひとこえ!」を期待してしまいました。
個人的にはゾンビものが結構好きなので、今作の導入もそれこそ「ウォーキングデッド」のそれを連想させるくらいの「唐突な世紀末感」があったし、展開なんかは「REC」みたいな「四の五の言わずについて来い!」っていう感じの疾走感もあった。
だからこそ、この作品ならでは!っていうストロングポイントが1つでもあればよかったなと思います。

タイプ的に好きな作品だけにちょっと残念。
ただ、もしこれを観るなら家のTVよりは劇場をお勧めします。
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