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ホイットニー:本当の自分でいさせてのKSのレビュー・感想・評価

4.3
ホイットニー・ヒューストンがドラックの過剰摂取によってなぜ亡くなったのかを描いたドキュメンタリー。

これを見ているとアイドル(偶像)としてのポップスターの側面を考えさせられた。
今年のポップスターとしてカーディBがあげられるが、ストリッパーであった過去などを「だから、何が問題なの?」と真っ当な発言をすることでポップミュージックの古い貞操観念やスキャンダル観みたいなものをブッ壊して現在人気を博しています。ホイットニーのデビュー当時は人種差別や女性差別が酷かったので、彼女の過去を白人社会が好む黒人女性像への書き換えが行われたという関係者の発言は、こういった経緯が彼女のドラックの過剰摂取への最後に繋がっていくのかなと思った。これまでボビー・ブラウンと出会った事でドラッグに溺れたとか言われて来ましたが、兄と10代の頃からドラッグをしていたこと、クライヴ・デイビスにより理想のポップスター像を作っていった。これは、プレスリー、ビートルズなどから連なり、現代のアイドルまで通じる常なのかなとも思う。しかし、カーディBが真の自分を曝け出しているかというと、人は人によって違う一面を出すものだと思うし、カーディBの場合は女性差別やストリッパーに対する差別、ラテン系移民への差別などそういった事に対する批判を込めた意味で自分のパブリックイメージをメディアを使って巧みに使っているのではないかと思う。

アメリカのポップスターの宗教観とドラッグの関係は、「なぜジョン・レノンは神を信じなかったのか」に書かれているので、それを参考にすると、ボブ・ディランやプレスリーなどジャンルを越えてアメリカの社会が抱える問題点と人々がロックスターやポップスターに求める価値観などエンターテイメントの持っている危うさを考える事もできるなと思った。