ちろる

Visionのちろるのレビュー・感想・評価

Vision(2017年製作の映画)
3.5
河瀬直美監督の作品は、没入してしまえばとんでもない恍惚な感覚に包まれるものもあるのだけど、河瀬直美監督の他の作品と比べても極めて独特。
この作品で語られるどこのどういう部分を自分の感覚と繋げていけばいいのか分からないまま。

アキは一体何だったのか?
森に住む仙人のような、森の魂そのもののような不思議な存在。
夏木マリさんの何とも言えない存在感がその摩訶不思議さを引き立てていました。

数年前愛し合って失った岳
突然森に迷い込んだ鈴
そして孤独に森を守る智

それぞれが遠い土地から舞い降りたこのジャンヌと繋がり森はvisionを迎える。

ただ、神秘的な吉野の森の映像は美しく、実際は無理だとは思うが、(あぁこんな山奥で暮らしながら朽ちていきたいと思わせる神々しさが画面越しにも伝わってくる。
そういう意味ではこの舞台は美しくフランス人女性が惹きつけられるようにこの土地に来たのは十分に説得力があり、日本の情緒というものを全て含んだ奈良県吉野のプロモーション作品としては抜きん出ている。
ちなみに
そういう意味では見ることができて良かった。

愛の物語をここまでこねくりまわしてしまうのも流石河瀬直美監督。
ファースト鑑賞で観念が突き動かされなかったら2回目もない考えるより感じろな作品なので、上手く感じ取れなかった私が悪いのかもしれない。
ちろる

ちろる