ポルりん

ドクターZERO 精神分析医・財前零子のポルりんのレビュー・感想・評価

1.8
※ 下ネタ多めの為、女性閲覧注意

ドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」のパチモン映画。

あらすじ

モグリの精神分析医である財前零子の下に政界から極秘の依頼が入る。
謎のトラウマを持つという元アイドル・理絵に対し、零子は原因解明のため催眠療法を駆使して真実に迫るが…。


いつものようにレンタル屋でクソ映画などの新作をチェックしていた所、どうにもタイトルに違和感を感じ目に止まってしまった。
恐らくは「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」をエロパロディにした作品なのだろうが、それならば本作のタイトルは余りにセンスがない。

「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」をエロパロディにするのならばタイトルは、

「ドクターSEX~肛門科・大便ビチコ~」

とするのが普通だ。
それと本作のキャッチコピーは、

「この女、聖女か?魔女か?」

となっているが、ジャケットを見る限りではただの痴女にしか見えないのだが・・・。
「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」のエロパロディならば適切なキャッチコピーは、

「私、ウンコしないので。」

か、

「私、生放送中に放屁しないので。」

とし、偉そうにしているビチコを手術室に呼び出し、ビチコの尻に注射をさしたり浣腸をしたりとビチコのケツから糞や屁を出させようと奮闘する男達、そしてそれに抗おうとするビチコをスカトロ要素を交えて描く。
「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」をエロパロディにするのならば上記の様にするのが適切だと思う。
だが、本作の場合はSEXではなくZEROだし、肛門科ではなく精神分析医であり、名前もエロパロディにありがちな恥ずかしい名前ではなくスカトロとは無縁の金持ちのお嬢さんをイメージさせる高尚な名前だ。
キャッチコピーやジャケットも気になるし、ストーリーも少し気になる。
これはもう観るしかないと妻が実家に帰っている間、レンタル屋で借りひっそりと鑑賞してみた。

どんな糞が観れるかと胸をワクワクさせながら本作を鑑賞したが、残念ながら期待していたようなZ級映画ではなく、最後まで観れる作品に仕上がっていた。

まず、この手の作品は総じてゴミのような演技する役者が選ばれがちだが、本作には決して上手いとは言えないものの違和感を感じるような酷い演技をしている役者は特にいなかったように思えた。(あくまでZ級映画と比較した話)
また、濡れ場で女優が映えるようなカメラアングルやフレーミングになっているし、ツッコミ所は満載なストーリーではあるが最初から最後まで中弛みする事もないように緩急のバランスがしっかりと出来ている。

ただ、一応最後までは中弛みする事なく観れたものの、カットの切り替えや下手だったし、常にカメラはブレブレとやはり酷い部分の方がどうしても目立つ。
濡れ場では良かったカメラアングルとフレーミングもそれ以外のシーンではかなり酷くシーンによって女優が小柄に見えたり巨漢に見えたりしてしまう。

効果音も使い所に違和感を覚える部分も多い。特に車が全然通らなさそうな狭い路地で主人公である財前零子が会話しているシーンの違和感が強く、主人公の近くを車が通り抜けた訳でもないのに、それを連想させるような効果音が一定のタイミングで流れるという意味不明な使い方をしている。
その場所で財前零子が会話する際に毎回近くに同じ車があるのも気になるが、それ以上に効果音が気になって会話に集中する事が出来なかった。

あと、私自身「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」をシーズン1しか観ていないのではっきりと言う事は出来ないが、恐らく本作は「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」のパロディでもなければオマージュでもない。
ただのパチモン映画だ。

大門未知子と財前零子の共通点は女性と医者(モグリだけど)という事以外ないに等しい。

大門未知子は毎話神懸かり的な腕を見せるが
、財前零子はというと設定上は凄まじい腕を持っているようだが特にそういった描写はなく、ただただ専門用語をベラベラと話すだけなので何が凄いのかが伝わりにくい。
患者が頭抱えて苦しんでるのに、それに全く気付かずにベラベラと話してるし、本当に腕がいいのか??
また、かなり性格が悪く何かとポーズを決めてカッコつけようとする。

例えば物語の冒頭、

民政党の秘書が財前零子にとある人物の往診を頼む

財前零子は往診はしていないと断る

それならばと秘書は財前零子がカーセックスをしている盗撮した写真をカバンから出す

財前零子が

財前零子「何の真似ですか!?」

とキレる

それを見た秘書が、

秘書「財前先生も随分と盛んですね〜、ひょっとしてセックス依存症ですか?」

と挑発する

それを聞いた財前零子は腕を組みながらドヤ顔で

財前零子「ふっ、セックス依存症。つまり性依存症というのはつまり強いストレスを感じた時、性行為による快楽物質を求め現実逃避してしまう精神疾患です( ̄^ ̄) ドヤッ! 私のようなヤリマンとセックス依存症を一緒にしないで下さい( *`ω´)」

秘書「くっ・・・」

いや、あんた何か少しカッコよさげに「論破したぜ!」って感じに決めまくってるけど、大半の人はヤリマンの方が印象悪いと思うぜ。
てか、精神科医なのにセックス依存症を馬鹿にするってどうなんだ?
ついでに、民政党って実在した政党名を使っていいのだろうか?

そして結局セックス依存症を馬鹿にしていたのに、自分がセックス依存症だという事が秘書にバレるという壮大なブーメランをかましてしまう。
秘書から脅されるも最終的には、


財前零子「患者が目の前にいるのに、引き受けない訳にはいかないわ!!」


と本家の主人公が良く言いそうなセリフをカッコつけて言い、秘書の依頼を受ける事になる。
どの口が言ってんだ!!

ついでに財前零子は自身のセックス依存症を治療する為に助手と仕事終わりにセックスをしまくっているのだが、


財前零子「貴方だけが私を満足させてくれるの!もっとよ、もっと治療して!!」


とほざいてる。
どう見ても治療ではなく単に相性がいいからヤってるだけのようにしか見えないのだが・・・。

また、私利私欲の為に患者を利用するといった外道な面も持ち、更にSMプレイが非常に得意というかなり濃いキャラクターでもある。

本作のキャッチコピーは、

「この女、聖女か?魔女か?」

となっているが、そのどちらでもない!
腐れ外道だ!

てか洋画のパチモン映画ならともかく、普通キャッチコピーで聖女か魔女を問うようなものにするんなら、たとえどちらでなかったにしても、劇中でどちらかを匂わせるような演出なり脚本にするだろ!!
最初から最後で腐れ外道ってどういう事だよ!!


多少気になっていた患者の過去も、所々流れる回想を観てれば普通に予想出来るので真実が明らかになっても特に驚く事ではない。
また、物語のキーとなる誰だか分からない患者の兄に関しても、キャラクターが少なくあからさまに怪しい行動しているキャラクターがいるので速攻で特定出来る。
一応、セックス依存症の苦悩も描いてはいるが少々弱いように思う。


多少は良い部分はあるものの、酷い部分の方が遥かに多いかつ致命的なものばかりなので、「大槻ひびき」と「初芽里奈」のファン、もしくはそこそこのクソ映画が好きな人以外にはオススメ出来ない作品である。
ポルりん

ポルりん