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はじめてのおもてなしのmoimoiのレビュー・感想・評価

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
3.7
1人の難民を受け入れたことで、壊れかけていた家族の本当の問題が生々しくたちあらわれていく。
難民問題や人種差別だけでなく、老年期のアイデンティティクライシス、夫婦間の断絶、鬱病、自分探しという名のモラトリアムなど、普遍的な「人生の問題」までも笑いの糖衣につつんで飲み込ませ考えさせる映画だった。
ドイツの今を描いてはいるが、「私」の側にもある物語なのかもしれない。

タレクは「この国にはカウンセラーが必要だ」と言った。
トライアンドエラーを繰り返し、傷つき病みながらも、よりよい社会を目指しているのはドイツに限らないのだと思う。
終盤、フィリップが裁判所で口にした一言は答えの一つかもしれない。
問題は山積みで、信じるものも皆違う。
でも、目の前にいる一人は、信頼に足る、大切な友人だと。
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