原題は Willkommen bei den Hartmanns
”ハーツマン家へようこそ”
2016年ドイツの作品
インテリ家庭 外科医の夫ともと教師の妻、なかなかリッチなお住まい。
子供は二人とも 別に暮らしていて、長男は企業弁護士、 長女はデキが悪く30越えてもまだ学生。
この夫妻が ナイジェリア難民の青年ディエロを受け入れるというお話。
難民問題に疲れたドイツにホッとする作品をという制作意図かと思われる。 ディエロが、長男の息子に頼まれて 教室で身の上を話すシーンは 生々しく強い痛みを伴う。
ただ、見てて ぐっとくるというか キツイなぁと感じるのは 夫婦の姿。
妻は優秀な主婦だけれど 愛しい子供達はあまり顔を見せない。
寂しくてだんだん酒量が増える。
でも米人妻とは全然違う、控えめだよね〜
家族に恥をかかせるようなことはしない。
なんか親しみを覚えます。
ほぅ ...と思ったのは夫。年齢を気にして若作りにのめり込む。(友人が整形外科医ってのがよくないんだけどね。)
若い女にモテたい。
若いイケメンの医者に露骨に嫉妬する。
デキの悪い娘にはつねに小言を言い続ける。
日本の男と比較すると 見た目をなんとかしたいとジタバタてるのって珍しく感じる。老いの哀しみを盛大に表しちゃっているように見える。
高齢男性が怒りっぽいのは 若い頃ほど女性にモテなくなるからなの?だい〜ぶ滑稽。
なんにせよ 夫が妻とDVDを見る約束をすっぽかして盛り場に繰り出してしまい、妻は5つのリモコンの操作がわからなくて つい息子に電話してしまうあたりは、キツイわ ........
しょぼい
情けない
寂しい
いろんな老いの感情が詰まってる。
寿命が延びて 老後をもてあますのは ドイツもコイツも同じ?と超くだらん親父ギャグで紛らわしたくなるw
話の中心にいるはずのディエロは あんまり何もしない。
普通の人で素直で誠実。
”早く結婚しろ〜 とか ”年寄りは敬え〜 とか 古い価値観を口にはするが、決して 相手に対するマウンティングではなく、真心で言ってることが伝わるの。
つくづく 言葉って それを誰が なぜ 言ってるか?で変わってくる。
ディエロは何もしない、と言っても、働き者、いわゆる雑役をまめまめしくこなす。
身体を動かす仕事って 良いものですね。
綺麗なおうちに綺麗な庭 穏やかな天気と気持ちのよさそうな散歩道 おだやかな作品でした。