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のみとり侍のKUBOのレビュー・感想・評価

のみとり侍(2018年製作の映画)
4.0
4月1本目の試写会は、阿部寛主演「蚤とり侍」完成披露試写会。

まず幕が上がると金屏風の前に座る「阿部寛」! 完成披露の挨拶を「口上」にして披露。びっくりしたけど、おもしろい趣向だ。

続く舞台挨拶には阿部寛の他に、寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊、鶴橋康夫監督がずらりと登壇。いや〜、豪華、豪華! 妙に声が低い人ばかりで、阿部が、豊川が、斎藤が、みーんな低くて渋い声でご挨拶。また180以上の4人の俳優と並んで、風間杜夫が背が低いことを大竹しのぶにいじられたり、男優全員が大竹しのぶと寺島しのぶのダブルしのぶを怖がったり、舞台挨拶も大爆笑だ。

さてさて、本編は(?)というと、

予告編から期待していた通りの大爆笑と、予想以上のしっかりした濡れ場と、予想外の展開からの感動のラストと、期待以上に面白かった。

冒頭、田沼意次役の「桂三枝」に陳情に現れる人々が「鶴光」だったり「ジミーちゃん」だったり、カメオ見つけるだけでおもしろい。

バカ殿に「猫の蚤とりとなって無様に暮らせ〜」と言われて身を落とす小林寛之進(阿部寛)」。「猫の蚤とり」とは女性に愛を売る風俗業。昼間から「猫の蚤、取りまっしょ〜い!」と大きな声を出しながら町中を練り歩き、声がかかれば女を抱く。江戸時代の風俗事情って、ずいぶんおおらかだったのね〜。びっくり!

寺島しのぶに「下手くそだ〜!」と言われてショックを受けた寛之進に「女の悦ばせ方」を伝授するのが清兵衛(豊川悦司)。この清兵衛の鬼嫁が前田敦子。この辺のくだりが、くだらなくて、くだらなくて、しつこいくらいバカバカしくて(褒めてます)、もう大爆笑。メジャー作品としては相当突っ込んだ性表現なのに、いろんな体位を見ながら大笑いする体験って珍しいかも?(^^)

で、予告編通りのただバカバカしいだけのコメディか(?)と思って見ていると後半予想以上の展開を見せるが、ここはネタバレなし! 期待以上のラストが待ってるよ。

メインキャスト以外にも、あっちにもこっちにも大物俳優が出てきて「あっ!」って声をあげちゃったりする。特に音楽には時代劇なのにビッグバンドジャズを使ったりして、オシャレで粋!

コメディなのに全てが完璧! 邦画メジャーで、こんなに振り切れていながらエンターテイメントと人情喜劇を両立する形で成立させた作品は珍しい。R-15+なので、大人な人に絶賛おススメ! おもしろいよ!
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