わきお

のみとり侍のわきおのレビュー・感想・評価

のみとり侍(2018年製作の映画)
2.5
妙に話が入り組んだ散らかった作品

越後長岡藩士、小林寛之進(阿部寛)は藩主、牧野備前守忠精(松重豊)の歌会にて失言をしてしまい、猫の蚤取りとして生きるよう命ぜられるのであった。
猫の蚤取り=男娼であることに気付いた寛之進は一先ず仕事に取り組んでみたものの、初めての客で亡き妻と瓜二つな女性おみね(寺島しのぶ)に「下手くそ!」と一蹴される。
その言葉に大変ショックを覚えた寛之進はひょんなことから出会った好色男の清兵衛(豊川悦司)から色事のノウハウを教えてもらうこととなり…
というお話。

最初の方は良かったんですけどね。エリートで堅物なお侍が、元来の生真面目さも相まってテクニックを身につけていく様はおもしろい。そして、豊川悦司がそこらじゅうにばら蒔くフェロモンに拍手。ナイスミドルを辞書で引いたら出てくる人の一人だと思うのです。

ところが、後半。あまり必要性を感じなかった人情話や、だらだら長い説明に始まる政治闘争が加わったことで反ってまとまりを失い、「で、結局何の話がしたかったの?」という邦画で何度も感じた感想にまた着地してしまったことは非常に残念。前半部分はそれなりに楽しめた分落差が大きいです。

キャスティングは十分魅力的だった故、それを活かせなかったのは罪深い。
ほんまなんでやろうな。
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