キャサリン子

判決、ふたつの希望のキャサリン子のネタバレレビュー・内容・結末

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

レバノンの首都ベイルート。
パレスチナ人のヤーセル・サラーメ(カメル・エル・バシャ)とキリスト教徒のレバノン人トニー・ハンナ(アデル・カラム)が、アパートの水漏れをめぐって口論を始める。
さらに、ある侮辱的な言動が裁判に発展。これをメディアが大々的に報じたことから政治問題となり、さらには国中を揺るがす騒乱が巻き起こる。
第90回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。


パレスチナ問題の経緯とパレスチナ難民の状況程度の予備知識があったほうが、より一層楽しめると思う。
あと、「アリエル・シャロン」がパレスチナの人々にとってどういう人物か?も、知っていると観る上で役立つかと思います。


頑固オヤジ二人の喧嘩が国中を騒がせる裁判にまで発展したお話。
さっさと謝っちまえよ〜💧と半ば呆れながら観てました。お互い短気すぎでしょ(笑)。
けれど、物語が進むにつれ、二人がそこまで怒る理由が明らかになり、不器用な二人が互いを見遣る表情に少しずつ変化がみられ始めます。
結末を迎えたあとの二人の笑顔には観ているこちらも胸を撫で下ろし、「これで良かった」と思えました。


頑なに故郷に帰ろうとしなかったトニーが、ウン十年ぶりに故郷に帰ったシーン。
家族で暮らした家、幼い頃父と歩いた道、バナナ農園…
記憶の片隅にあるおぼろげな景色が、今もなお存在している。

トニーの目に映る風景があまりにも美しくて、切なくなりました。
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