去年の忘れ物レビュー…✍️
レバノン出身の監督の実体験を元にした物語。
きっかけはバルコニーの水漏れ。
そんな些細な口論が、国家を揺るがす法廷劇にまで発展していく。
おっさんたちの意地の張り合い。
そんな風に見えてしまう、序盤の争い。
ふと漏らした悪態から口論が発展し、触れてはいけない言葉まで。
それは人としの尊厳に関わる問題。
「謝って欲しいだけ」
なぜ形だけでも謝罪ができなかったのか?
そこには個人間の諍いでは収まらない、紛争や民族、政治、宗教、人種、難民問題…といった複雑で繊細な問題を孕んでいる。
レバノンのパレスチナ難民。
法廷で明かされていく過去。
ショッキングな映像や事実と共に、この諍いの根幹が見えてくる。
この辺はかなり辛くて胸をグサグサにされました😭
裁判が激化していき、メディアが騒ぎ立て、大きくこの諍いが膨らみ切ったところで、見えてくる人と人としての対話。
結局のところお互いの痛みを自分のものとして理解して、赦せるのかという根源的な部分。
パレスチナ問題には疎くて難しく感じる部分もあったけど、ストーリー運びやメッセージの描き方はそんな私でも感情移入して観ることが出来たのでよかった🥺