嫁の実家に一泊させて貰う前の最後の晩餐ということで贅沢しちまおうキャンペーン第一段として鑑賞致しました!
いやぁ…私が小学生ならば今作の感想を読書感想文として提出したに違いないです!ヨカッタンダゼ( ´∀`)b
あらすじは自動車修理工のトニー(顔がジェフ・ゴールドブラム+マイケル・キートン)と工事現場の監督のヤーセル(顔は面長なトミー・リー・ジョーンズ)の喧嘩が裁判沙汰になり、民族闘争になり、国家を揺るがす危機になっちゃう的な感じです。
まず、レバノンという国ついて全く無知な私にとってはめちゃくちゃ勉強になりました。本当に分かりやすくかつ自然に国の状況や情勢を伝えてくれました。
多分私にほんの少しの自制心がなければ次の日には「ねぇねぇ、レバノンってさぁドヤドヤ( ´∀`)」と得意気に触れ回っていることでしょう。
確かに勉強になりますが、決してお堅い映画ではありません。一言の悪口(原題の"The insult "は侮辱や悪口って意味らしいです)からどんどん膨れ上がり、収拾がつかなくなる様は非常に痛快です。特に途中から当事者のトニーとヤーセルが事態についていけずに裁判中呆気にとられている姿は笑っちゃいました。
序盤トニーとヤーセルは民族的な対立もあって本当に憎み合ってはいるのですが、中盤実は考え方が似ていてたり相手の優しさに気付いたりします。シーンとしてはさりげないのですが、描写が丁寧で「人間も捨てたもんじゃないなぁ(←謎の上から目線)」とついつい涙腺を刺激されちゃいました。
また序盤と終盤トニーとヤーセルがやりとりをするシーンがあるのですが、シチュエーションも場所もカメラワークも同じようシーンなんですけど明らかに二人の心境の変化が感じることができます。こういう構造好きですなぁ。
こういう風に書くとハートウォーミングな映画かと思われますが、裁判描写はなかなかエグいです。当事者二人やその親族のセンシティブな問題を容赦なく掘り下げてくる鬼畜な両陣営の弁護士(この二人の関係が結構しょうもない)の攻防はまさに苛烈かつ泥沼の様相を呈しています。またヤーセルの何十年前の過ちをチクチクつついてくるシーンはジェームズ・ガンの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーvol 3』降板を思い出しました。
また鑑賞中「レバノンって大変だなぁ」と対岸の火事モードを決め込んでいた私に今作は二回程カメラ目線で「お前に関係なくねぇからな、コラ」とぶん殴られました。ハンセイ\(__)
人と接するには偏見を置いといてその人とじっくり話合って初めて人間関係が築けるのだなと感じました。
ちびっこの皆!今作を観てお友達とレバノンについて話そう!←なんだ、この締め方