てるる

判決、ふたつの希望のてるるのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.0
TOHOシネマズのフリーパスを使い始めて第一弾がコレ!
でも酒をしこたま飲んだ後だったので爆睡。
ていうかオープニングすら記憶無い。
その後、「ザ・プレデター」も予約してたのに激しい頭痛と吐き気により帰宅!

ということで素面でリベンジしてきました!笑

レバノン映画ってほとんど観たことないんだけど、どんな国の映画だろうが良作は良作なんだなと思わされた。
アカデミー賞ノミネートも納得。

恥ずかしながらレバノンやパレスチナの情勢に詳しくないんだけど、それでもちゃんと理解出来るように作られてるのが素晴らしい。

些細ないざこざが国を二分する裁判にまで発展するというストーリーは、とにかく最後までどっちに転ぶか分からなくて最後までグイグイ引き込まれた。

人種差別や政治・思想、内戦や虐殺など重いテーマを盛り込みながらも、中心にあるのは人と人との関わり合い方だったり、家族の関係だったりと普遍的なもの。

だからこそ中東情勢を知らなくても直感的に理解出来る。
もちろん知ってたほうがより深く楽しめるんだろうけど。

上手いのは被告も原告もどっちにも悪いところがあって、それでいて感情移入出来るようになってるところ。
両方とも最初は「一言謝ればいいやん!」とか「粘着タイプ嫌い!いい加減にしろー!」と言いたくなりつつも、だんだんとそれぞれの望まぬ過去が明かされていき、最後にはどっちにも肩入れしたくなるような流れにはやられた。

そして演じる2人のキャスティングが見事。
頑固ジジイと頑固な強面野郎。
それぞれ演技も上手い。

そこに加わる弁護士2人の対決がピリッとアクセントを加える。
方や人権派、方や差別的、そしてどちらも当事者そっちのけで自分のスタンスを押し付ける。
そして意外な二人の関係に唖然。

この裁判シーンがかなり迫力あってハリウッド的だなーという印象を受けてたけど…。
それもそのはず、監督はレバノン産まれではあるものの、ハリウッドでタランティーノ作品でカメラアシスタントとして関わってた人らしい。
道理で撮り方なんかもこなれてる感じな訳かー。

あと音楽がめちゃくちゃ良かった!

これはオススメです!
てるる

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