Jin

判決、ふたつの希望のJinのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
3.7
“今の時代、皆んな怒りっぽくなっています。だからこそ理性をもって考えないと”


レバノンの街、パレスチナ人の工事屋とトラウマを抱えた男。2人の小さな言い争いが裁判に。やがて、民族問題を巻き込んだ国を揺るがす大訴訟へと盛り上がっていく話。


原題は”The insult”。侮辱。

民族問題や内戦によるトラウマの深さを垣間見た。
一見、形式上謝ればいいだけの意地の張り合いに見えたけど、それが許せない根深さがあるのかもしれない。

イスラエルに追われるパレスチナ人と、キリスト教国のレバノン。
少しは前知識がないと分からないかも。
迫害されるパレスチナ人を擁護する風潮が強い中、一方向的な問題ではないことに触れた珍しい語り口だった。

どこの民兵組織だか分からない人々に報復攻撃として破壊された村があり、それはまるでなかったものかのように処理された事件がある。
そんなこと知らなかった。


段々と事情が解き明かされていくのも、民族間の問題も、丁寧に説明されていて分かりやすかった。
法廷の中で明かされていく物語も面白かった。

そこまで悪い人が出てこないのも良かった。
Jin

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