このレビューはネタバレを含みます
危うい希望の光
レバノンの首都ベイルート レバノン人キリスト教信者のトニーとパレスチナ難民キャンプに暮らす補修工事の現場監督ヤーセル
このふたりの抱える 宗教的民族間同士の諍い 忌まわしい過去 その呪縛から 心を解放する迄を描く
初めてのレバノンの映画 序盤は退屈な会話劇で 寝落ちしている私 退屈だなぁと
思う間も無く 中盤からの展開にやっと目が覚める私
インドネシアの『アクトオブキリング』
のクーデター未遂による共和党と思われる一般市民による大虐殺を知った時の衝撃を思い出し 氷山の一角と頭で理解してはいるものの またかと、人間の犯す罪の深さに愕然とする 世界中から争いや諍いが消えて無くなる日は来ないのかと暗闇の果てを呆然と見つめる
ラストシーンでは 希望の光を見せて
幕引きとなるが お互いがかわす微笑みの
なんと大きな代償だったことか
ここまで傷つけ合わなければ
分かり合えない
深読みし過ぎの私は 劇場が明るくなり席を立つまで そんな思いに囚われていた