Max

判決、ふたつの希望のMaxのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.4
本当に些細なケンカがきっかけで、国中を揺るがす民族問題へと発展する...

自分の家(違法建築)の排水管を勝手に工事されその排水管を壊したレバノン人トニーと、排水管を壊されたことに対し「クソ野郎」とトニーを罵ったパレスチナ人ヤーセル。
謝罪を求めるトニーは勢い余りヤーセルに対し、侮辱的な発言をする。これに怒ったヤーセルはトニーの腹を殴り肋骨を2本折らせてしまった。
ここまでの段階で互いに非を認め、謝れば良かったはず。
相手に対する怒りは暴力や暴言では解決しない。新たな怒りを生むだけだ。

民族とかそういうのを通り越してお互いに人間なんですよ。
ごめんなさいとかありがとうがお互いに言える関係でなければならない。
どのような過去があるにせよ今を生きるならば人として最低限のマナーがあるはず。
世界の一人一人がそういう認識を持って欲しいと観ながら常に思っていた。

これは日韓問題にも置き換えられるのではないだろうか。
昨今騒がれているこのテーマだが、やはり相手への憎悪を汚い言葉で片付けてはならないし、感情的にならないべきだ。
自分の主義主張だけで物事は動かない。
鎖国をしているのではないのだ。今や様々な国の人がこの日本にも暮らしている。互いの文化や考え方を否定しないことが重要だと思う。

最後の双方の弁護人の発言がこの映画の全てではないかな?

世界に向けての意見発信の媒体としてこの映画は素晴らしいと感じた。
Max

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