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判決、ふたつの希望のからあげのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.5
初レバノン映画に素晴らしい人間らしさと
生きる深さ、過酷さを垣間見た。

平和な国に生まれ育ってきた私には過酷な国
で命を脅かされ生き抜く大変さを簡単に同情
して言葉を発することはできない。
本当の過酷さは当事者たちにしか分からない
と思う、しかし、少しでも歴史や悲しみを知
ることは大切なことだと考える。

はじまりは些細なことのいさかいだった。
バルコニーの水の問題から広がり、言葉の暴力
を浴びたり浴びせたりして裁判へと進んで行く。

人と人が社会で生きるには言葉の選び方は凄く
大切なことで、心無い言葉が人を傷付け、
悲しみへと向かわせることになる。
これは夫婦、親子、友人、恋人関係でも同じだ
と思える。
人を言葉で傷付ければ、いずれ自分も同じよう
に傷付く日がくるのかもしれない。
“言霊”ってあるのかもしれない。
改めて思い遣りを持つ大事さを感じた作品だし

争っていても、人は許す心を持てる。
誰よりも自分のため、大切な者たちのために前
へ進むために‥。
今はまだ後ろを振り向く時ではない、まだ前を
見て生きる時期だからこそ思い遣りを持とう。

いずれ自分が年老いて人生のタイムリミットを
感じた時に、大変だったけど、良き人生だった
‥って振り返ればいいんだと思う。

そんなことを学べた深い映画でした。
双方の代理人弁護士の見事な弁護だったり
最終的に人間愛が伝わってきました。
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