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判決、ふたつの希望のokd0812のレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.0
パレスチナの難民問題について深く考えさせられる良い形で問題提起をしてくれた映画でした。

主人公は工事の現場監督のパレスチナ人のヤーセルと車の修理屋でレバノン人のトニー。
トニーの家の前で工事していたヤーセル、トニーの家のベランダから剥き出しとなっていた排水管から作業員達に水がかかってしまう。排水管を修理したいとトニーの申し出るヤーセルだったが、トニーはこれを断る。
仕方なく無断で排水管の修理を行うヤーセルだったが、そこにトニーが現れ修理中の排水管を破壊してしまう。その行為に怒ったヤーセルはトニーに暴言を吐いてしまう。この一件が発端になり二人の長い争いが始まってしまう...

下らない理由で喧嘩をふっかけるトニーに対して大人になれよと思いつつ、そこから裁判を通じて明らかになってくるトニーのバックグラウンドを知ることで徐々に同情していってしまう。徐々に観てる人を惹きつけてくるよく出来た脚本だと思います。

最終的には国家レベルの問題にもなり、もはや戦争かというところまでいってしまうものの、和解とはいかずともお互いを理解し認め合ったトニーとヤーセル。大人だと思います。

許せない事があっても、相手のことを良く知り、理解する。難しいことだけど、争いを避けるためには大切だと思い知らされました。
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