判決、ふたつの希望の作品情報・感想・評価

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「判決、ふたつの希望」に投稿された感想・評価

tower1209

tower1209の感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

なにこれ…すごいの観てしまった。
脚本が秀逸。「え!」って展開を幾重にも重ねて、最後に驚きの伏線回収。登場人物みんなキャラが立ってるし、メッセージ性も強いし、ちょこちょこ笑いも入れてくるし、ひっちゃかめっちゃかにかき回した後の締めも、客に委ねずストレートに、且つスッキリ終わるし、映画としての完成度が高すぎた。

争いの始まりはこんな些細なことなのかもしれない。でも当人にとっては些細なことな訳がない。ずーっと溜まってたものが顕在化しただけなんだよな。

それを解決するのは、過去と向き合う力と赦す愛なんだろうか。でもそのプロセスは何かのきっかけがあって、問題を問題だと認識するところから始まるのだとすると、問題が起きるということも実は必要で、いいことなのかもしれない。なんて思いました。
ゆみな

ゆみなの感想・評価

3.8
iPhone故障して機種変してる間にレビュー書くやつ溜まってしまった…とりあえず点数のみ。
レバノン映画で初のアカデミー外国語映画賞ノミネートされた作品として注目を浴びた本作。

その内容も2人の男の些細な争いから裁判となり、そこから話が大きく膨らみ、やがて国全体を巻き込んだ大事へと発展していく法廷ドラマ。

日本人からすると馴染みが少ないパレスチナ問題。それを2人の男の裁判を通じて分かりやすく提示しており、レバノンにおけるその問題の根深さが感じ取りやすくなっています。

主役の2人だけでなく、その一方でそれぞれを支える奥さんの姿も必見。特にトニー側の奥さんなんか思いもよらぬ出来事ばかりが身に降りかかりますが、冷静さは最後まで失わない役柄が素晴らしかった。

そして互いに敵対することとなった双方の弁護士親子の舌戦も大きな見所。親子ながらも全く違う立ち位置。劇中ではそこまで深くは描かれていませんが、その背景に色々な事情が浮かび上がるように思えます。

思わぬ形で多くの人々を巻き込んだ裁判の行方はどうなるのか。そのラストも非常に秀逸で、この評価の高さも頷ける終わり方です。

全体的にストーリーの進め方がとてもスムーズで、勢いが凄く飽きさせる暇もありません。2時間足らずで、ここまで多くのエッセンスを取り扱いながらも、キチンと収めている監督の手腕もお見事。

法廷ドラマでありながら、しっかりとしたエンターテイメントらしさも携えている本作。非常に多くの魅力を感じました。これはお勧めの一作です。
くう

くうの感想・評価

3.8
素晴らしい法廷劇。

どこにでも居るクレーマー。どこにでも居る頑固じじい。話し合いで解決できたはずなのに裁判に持ち込んだら宗教・難民問題・ヘイト・虐殺にまで絡む国家の大問題に…。

法廷シーンに全く飽きず、蚊帳の外に放り出される市井の人たちを見つめる。

弁舌スラスラな法廷シーンに見入り聞き入り、裁判の当事者たちの複雑な心境を思いやり、それぞれが抱える歴史背景に暗澹たる思い。

ヘイト問題はどの国も他人事ではなく、どちらが優勢になっても気持ちは晴れない。

2時間、あっという間なくらい夢中で見てしまった。

根本的には国同士のことも個人のことも同じ。

人の人生を思いやること、人の過去を馬鹿にしないこと。そして争いは人を傷つけること。
kazu1961

kazu1961の感想・評価

4.2
「判決、ふたつの希望」
原題「L'insulte」
2018/08/31公開 レバノン・フランス合作 2019-069

深くて、素晴らしい法廷モノです!!
レバノン・パレスチナ問題。何を為すことが共存に繋がるのか?本作はその答えを模索する過程を悲しく、切なく、温かく丁寧に描ききりました。人種差別の根源を問うこの作品は今、時代が求めていたものなんですね。
そして、パレスチナの人々の今の暮らし、日常がリアルに伝わってきます。
レバノン・パレスチナ問題を「人」に寄り添って描ききった映画だからこそ希望が見えてくる展開に深い感銘を受けました。
ううん!秀作です!!

キリスト教徒であるレバノン人男性とパレスチナ難民の男性との口論が裁判沙汰となり、やがて全国的な事件へと発展していく様子を描き、第90回アカデミー賞でレバノン映画として初めて外国語映画賞にノミネートされたドラマ。主演のカエル・エル・バシャが第74回ベネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞するなど、国際的に高い評価を獲得した。クエンティン・タランティーノ監督作品でアシスタントカメラマンなどを務めた経歴を持ち、これが長編4作目となるレバノン出身のジアド・ドゥエイリ監督が、自身の体験に基づいて描いた。

このレビューはネタバレを含みます

歴史があって今がある。
歴史は変えられないけれど、今から変わることはできる。と、当たり前かもしれないけれどそう強く思った。

日本は島国である。
そして私は日本から出た事がない。
今まで、自分が何者かという民族的なアイデンティティについて考えさせられるような個人的な場面に遭遇したことがないのは幸か不幸か、きっと、日本から出た時に初めて実感として迫ってくるのだろうと感じた。
だけれど、私たちは歴史の中に生きていて、過去のことであろうが関係なく、その歴史を背負い合うもの同士で前に進んでいかねばならないということ。
今世界で何が起こっているのか、どんな状況下の人たちがいるのか。
知って、受け止めること。
そこからだと、この映画から身に染みて思う。

些細な争いの背景に、こんなにも複雑で深い歴史、事情が絡み合い、それでいて話に入り込める、理解できる映画、、素晴らしいな…

車の修理を手伝うために引き返してきたシーン、お互いに言葉は交わさずとも確実な転換点であるのは確かで、もはや何に泣いているのかよく分からないくらい涙が止まらなかった。。。
安堵なのか、苦しみなのか、色んな感情にさせられる。

許す、許さないという枠を超えていた。
本当に良かった。
侮辱、原題がいいですね
gdbsdta

gdbsdtaの感想・評価

3.4
なんでそんなキレる事があって、なんでそんなに罵る事があるんだよ。穏便にいこうよ。
こっちからみたら、人種も一緒にみえるし、過去に起こった事柄や進行形の情勢も申し訳ないが知らない。
度々出てくる名前は誰の事かもわからなく、ざっくりとみてしまったが、そこまで置いてかれる事もなく、ちゃんと回収もあるので面白くみれた。
特に片っぽの2度目の訪問のシーンが好きだ。なんでまた、、からの流れがグッとくる。
milk

milkの感想・評価

4.1
自分の知識が浅いのでウィキペディア開きながら鑑賞。
とても見応えのある映画。
レバノンのことは全然知らないので、再生ストップして調べながら観る
集中して観るようにしないと、良し悪しが分からないからだめだと思うものの、こういう時はいい
(調べなくてもだいたい分かったかもしれないけど)

映画を使って、色々学ぶパターン。
トニーの内面がだんだん変わっていく様子が表情ですごく分かる
ヤーセルは誠実でいい人感がすごく出てる

誰かが悪いというわけではなくて、皆が紛争に巻き込まれてる被害者で当事者で、だけど意外と日常は、なんとか成立させるために折り合いつつ営んでるんだなと思う
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