ドランドランドラン！彼が震えるほど自信家で努力家で、映画を撮らずには生きていられない人なんだということがひしひしと伝わってきた。彼が抱える葛藤、苦悩、苛立ちは全て映画として吐き出され、昇華されている。ドランが持つ肉体的精神的エネルギーは、蓋をしようとしてもごぼごぼと溢れ出てきてしまうくらい計り知れなくて力強いなと思った。初めてドランの映画と出会った時の衝撃とサプライズ感と興奮が生々しく蘇ってきて、また初期の作品を見直したくなった。映画学校に通うでもなく、映画から映画を学び、次々と自分が表現したいものを創り出していく様が勇ましくて震えた。こんなにも、多様面においての才能が長けている人がいるだろうか。個人的には彼の色彩感覚とか音楽センスがたまらなく好きだ。瞬く間に、この時代を象徴する若き芸術家として名を馳せたグザヴィエ・ドランから、今後も目が離せない。
