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グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブルのMUAのレビュー・感想・評価

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あけましておめでとうございます。今年はもっと映画を沢山見たい。。
新年一発目は映画と言うよりドキュメンタリーのこの作品。
以前、lady gagaのドキュメンタリーを見た影響もあり、どうもこじんまりとまとまっちゃった感のある今作だが普通に面白かった。
正直グザヴィエドランの癖の強そうな世界観は食わず嫌い状態で(以前「エレファントソング」を鑑賞したが全然好みではなかった為・・あれは彼の作品ではないが・・)、しかし映画のジャンル以前に「一体どういう人物が映画を撮っているのか」と言う点においては興味があったので色々知ることが出来て良かった。

確かに一気に成功や名誉を手にした天才だし、芸術の才能においてはブッ飛んでいる(処女作を撮ってすらいない段階でいきなりカンヌに出すとか宣言し出す、次の映画を撮る為に1年も待っていたらマジで死ぬ、とか言い出す)が、こんなにも生き急いでいる理由の一つとして「もう直ぐ核戦争が始まって世界が終わる」「事故にあえば自分は死ぬ、未来は誰にもわからない」など、非日常的だが決して避けられない死と言う最終地点から逆算するかのように生きている彼は恐らく誰よりも現実的で地に足を着けて人生設計をしているとも言えるのではないだろうかと思う、もっと逆に言えば死=無であるという価値観が垣間見える点においては、彼はあまり神という存在に依存していないのではなかろうか・・等々。
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「自分が正しいと信じたことをやる」と言う彼の言葉が一番印象的でした。
やはり物を作るには自身の生命のエネルギーが本当に必要なんだなあ・・・ここ最近自分の活力が枯渇していたので、刺激をもらえました。
今作はあえて無評価で。

(追記)女性や母がテーマの映画に多く携わりながら、死を怖がるように生き急ぐ映画人生を歩む彼の内には強い子宮回帰願望があるんじゃないか?と思ってしまう。ドランというよりも、一人の人間として見るのも面白そう。
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