如何にして若き天才映画人グザヴィエ・ドランが生まれたか、を追うドキュメンタリー。
親戚に映画評論家(オディール・トレンブ)がいたこと、ゲイであること、友達に恵まれたことなど、様々な角度からドラン天才の所以が語られますが、最大のポイントは、彼が映画を好きで好きでたまらないことだと思います。山のようなファッション雑誌を漁り、手当たり次第に音楽を聴き、インテリア、照明、撮影などを勉強する。それらは全て、映画を撮るための周到な準備なのでした。
そして、早熟な天才は何故かくも生き急ぐのか、という問いに、女優モニア・ショクリは「彼は、核戦争が起きて世界が終わると思っている。だから急いで映画を撮っているのよ」と証言します。核戦争はともかくHIVなどにならずに長生きして、天才の成熟した姿を見せて欲しいものです。
