本作が審査員特別賞を受賞した、PFF大忘年会にて鑑賞。
あらすじ
「私の母はビラを撒いて、幼い私を育てるため家にいない間、代わりに保育してくれる人を募集した。集まった大人たちで始まった共同保育の取り組みは、「沈没家族」と名付けられた。そして15年が経ち、大人になった私は保育人たちに再び会いにいくことにした。」
京都国際学生映画祭にてグランプリ受賞。
実行委員講評
”つくられた家族、つくる家族”
「この映画で投げかけられる生命の営みへのラディカルな問いは、家族とはそもそも必要なのか、ということまでも射程に含む。血縁や地縁、果ては義務感からも離れた対話の異様なまでの客観性が露わにするのは、常識や道徳を乗り越えたところにある人間観である。フィクションとノンフィクションの間を横断し、およそ20年の時をも飛び越えるこの怪作を取り上げるのは責務とすら感じる。」
実行委員講評英語版
"Fake families, to make families"
The radical doubt about human lives that are cast on this movie, includes even the doubt whether families are really necessary. An unusual objectivity will be expused when humanity communicates without any connection like blood relations, territorial connections or even obligations. What this shows is the view of humanities beyond the common sense and ethics. To show this masterpiece, which crosses between fiction and non-fiction, and makes the time of 20 years timeless, seems to be even our duty."
「共同保育」の形で、育て親を大衆に募集し、その数多くの育て親によって育てられた、土という男の子の成長を描く映画。フィクションのようなお話を現実で成し遂げてしまったこと、フィクション以上に魅力的な人物がいっぱい出てくるところ、さらに監督がその加納土本人というのも面白い。
