傑作「マインド・ゲーム」や「鉄コン筋クリート」のスタジオ4℃がフランスのバンド・デシネ作家とタッグを組んだアニメ作品です。
途中までは「何だこの話?」と思っていたのですが、これは「ヴェノム」です。
「ヴェノム」の先行ロードショーと思って観たら結構グッときました。
親友のヴィンスも「ドクターストレンジ」のドーマムゥかゴーストライダーみたいですし。
ディフォルメされたキャラクターと精緻に書き込まれた背景が素晴らしいです。
グリグリと動くキャラクターはとても気持ちいいです。
どん底の吹き溜まりの街ダークミートシティーの描写は好きです。
ただ露悪的な表現も多く、犬の死体の目玉を喰うカラスや踏み潰したネズミの内蔵で滑ったりするシーンが苦手な人もいると思います。
特にゴキブリが苦手な方(好きな人はあまりいないと思いますが)は要注意です。
ただ主人公のアンジェリーノの声優の草なぎ剛の演技はいただけません。
無気力で無感動な主人公なのですが棒読みとは違うでしょう。
「マインド・ゲーム」の今田耕司や「鉄コン筋クリート」の二宮和也の様な不思議なハマり方を狙ったのでしょうが失敗だと思います。
でもラストも含めて結構好きな作品です。