シネフィル母ちゃん

悲しみに、こんにちはのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
4.7
暑い夏に観るのにピッタリの、瑞々しくて切なさ増し増しの作品。
1人の女の子のひと夏の成長を見守ることが出来て嬉しかったし、自分も勇気づけられた。
素晴らしかった。

自伝映画ってドラマ性が強いのに、この作品はとっても淡々としていてドキュメンタリーを観ているよう。
演技とは思えないし、スクリーンの中にあるのは本当に日常だった。
なので、好き嫌い分かれるし私が観た回ではイビキもちらほら。


とある病気で母親を亡くし、伯父夫婦の家にやってきたフリーダ。
伯父夫婦や祖父母も優しいけれど、どうも素直になれないし居心地が悪い。
フリーダの戸惑いや色々な変化に必死でついていこうとする姿がとても切なすぎた。
でもフリーダは決して泣かない。
くるくるパーマに長い手足、日焼けした姿に大きな目。そんなお人形さんのようなフリーダの眼差しだけは悲しみに溢れていた。
そんなフリーダを瑞々しい風景や照りつける太陽が見守ってるよう。

最後のカット、これがほんっっっとに素晴らしくて最後の数秒で全ての感情を持っていかれて、安堵の気持ちと切ない気持ちが渦巻いて私も涙が止まらなかった。

誕生日にこの作品を観られたことが幸せ。