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悲しみに、こんにちはの小のレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
4.1
悪い人はいなくて、少女と大人双方の気持ちに共感し、切なくなる。本作が長編デビュー作となるスペインのカルラ・シモン監督の体験を、脚色を加え綴った物語。

ある病気で両親を亡くした少女フリダは、母の入院中世話になっていたバルセロナの祖父母の元を離れ、カタルーニャの田舎に住む若い叔父家族と一緒に暮らすことになる。

祖父母に甘やかされ不自由なく過ごした都会での生活は一変。温かくも時に親としての厳しさを示す叔父と叔母、幼いいとこのアナとの田舎での自給自足の生活に戸惑い、反発するフリダ。そんなフリダと叔父夫婦も家族として馴染んでいくのに時間がかかるけど…。

ホームシックにかかったフリダは一筋縄ではいかず、叔父夫婦はとても手を焼く。祖父母のもとに返すほうが良さそうに思うのだけれど、叔父夫婦が決してそうしないのは心温まる設定と、それを想像できるシーンもあったらしいのだけれど見落としている、残念な自分。
(http://quotationmagazine.jp/column/post-19572)

子どもって無意識のうちに悲しみを胸に閉じ込めて、甘えたり、悪いことをしたりして紛らわす。何故かはよくわからないけれど、自己防衛本能なのかな。そう思うとラストシーンがより味わい深くなってくる。

●物語(50%×4.0):2.00
・しみじみと良い。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・自然に感じられた。説明の少ない演出をもっとよく味わえるようになりたい。アナがちょっと好き。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・自然な感じがイイ。
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