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悲しみに、こんにちはのJTのレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
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幼かった頃の記憶が蘇り胸が一杯に
スコアをつけたくない作品は初めて

2019年46本目: 原題
『Estiu 1993 / SUMMER1993』

二度目の鑑賞
最初に劇場で観て今まで何度も想い出してました

両親を亡くした少女フリダのひと夏を描いた作品
ほとんどのシーンがフリダの視点で描かれて
『フロリダプロジェクト』を連想させた
それに比べ本作は子どもの内面を強く描いている
だけど子どもの遊びや大人の事情、それぞれの内面に夏の季節感などをとてもバランス良く写していた

フリダが大人の会話に耳を立てたり
自分がわからなくてなにか気に食わなくて物や人に当たってしまう様子は理解ができて胸が痛んだ
大人になれば自分の気持ちくらい明確に理解して
対処もできるが子どもは違う
気持ちと向き合えず望みもわからない
時間をかけて心を開いて初めて幸せを感じ愛を感じてやっと自分の気持ちと向き合える
ちょっと大人に近づいたフリダと同様に
観ている人も込み上げるものがあると思う

フリダが涙を見せなかったから私もこらえた
泣いていいんだよって心の中でつぶやいた
ただ寄り添って抱きしめてあげたかった
でも最後のフリダにどうしようもなく涙が溢れた

大人の演技も素晴らしかったけど
子役の演技は一度も演技には見えなかった
切ない中でも笑顔になる大切な作品になりました
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