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悲しみに、こんにちはのreephanのレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
4.5
滑り込みセーフで見れた!
わたしはようやく結婚指輪を今日捨てることができた。離婚して2年4ヶ月。辛かったり悲しかったりした気持ちは未だ消えないしなくなることはないけど、さよならから前に進めるようになった。
この映画の主人公フリダ6歳女児は父を亡くし、ついには母も亡くし、おじさんおばさん夫婦に引き取られる。そこでフリダが生きて、少しずつ新しい家族の中に自分の居場所を見つけて、進んでいくお話。
おじさんおばさんにはフリダよりも小さい子どもアナがいて、アナはフリダのことわたしのお姉ちゃんなのよっていう。いっしょに遊んでる姿はほんとに愛らしい。ちょっとしたけんかも本当の姉妹のようだけど、フリダの気持ちはそうじゃない。おじさんおばさんも分け隔てなくフリダに愛情を注ごうとするがうまくいくことばかりじゃない。フリダもわかってて、それを心でいつでも感じているからずっと映画は緊張感というか不安定な気持ちの糸がピンと張り巡らされているかのようで、穏やかなシーンでもずっと、心が休まらなかった。フリダの気持ちが伝わってくる。
フリダは孤独を感じても、疎外されても、怒られても泣かなかった。泣けなかった。どうしようもない気持ちは夜にこっそり空から見守っててくれるママを探しに行った。ベッドで横たわるもキラキラ涙がたまっているように見える目がキッと開いて寝れないでいるフリダを見て、こっちが泣けた。妹が甘えるようにおじさんおばさんに甘えちゃいけないんじゃないかって幼いながらにも感じているようで、だから最後の名前のつけようもないフリダの気持ちの発露はとてもとても大きな一歩なんだと思う。
辛かったことや悲しかったこと、苦しかったこと、事実は消えない。だけど、過ごしていく時間の中で、自分の感情を隠さず伸び伸びと生きて、受け入れ、笑っていてくれるといいなぁと思った。

出てくる人たちみんなが人のことを大切にできる人なんだろうなと思った。おじさんイケメン。こどもたちはあれ、演技ってどうなってんの!って思った。ダンスシーン、おままごと、半裸姿、水着姿とどれをとってもかわいすぎ!
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