meiko

悲しみに、こんにちはのmeikoのレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
3.5
人に勧めるかというと勧めはしない。ドキドキもハラハラもしないから。2回見たいかというとそうでもない。でも良い映画やと思った。わたしはフリダのように親を病気で亡くしていないし、実子として可愛がられる従姉妹への嫉妬とか、甘えたいけど甘えられない叔母への気持ちを実際経験したことはない。でも、フリダの気持ちが全部痛いほど分かった。なんで意地悪しちゃうか、なんで駄々をこねてしまうか、なんで家出したくなるか、なんでマリア像に惹かれるのか全部わかった。なんで?監督の撮り方と俳優がすごいんやわ..
叔母が初めて一緒にベッドで寝てくれたとき、体をずっとなでてくれるとき、その体のあたたかさ、それこそをフリダは求めてたっていうのが痛いほど分かって、わたしもふと、小さいときの母の体のあたたかさを思い出して泣いた。横にいて触っててくれることが何よりの優しさやったんやな。

最後、フリダがやっと新しい家族に甘えられるようになって思いっきり笑ってるとき、フリダがやっと泣いて、母を亡くした悲しさが涙になって出てきて、それを叔父叔母がどうしたの〜〜ってオロオロしながら抱きしめるところもぐっときた。あぁ泣けるということも相手への信頼あってこそなんや。泣くということはすごいことなんやなぁ。
meiko

meiko