たけ利治

悲しみに、こんにちはのたけ利治のネタバレレビュー・内容・結末

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

併映の『ワンダー』と比べるとけっこう淡々とした印象。舞台は1993年・スペインのカタルーニャ地方。牧歌的な風景。『ワンダー』も同じ家族の物語で、わかりやすくてポップでそっちの方が好きだったが、もうちょっと丁寧に観ることが出来ればこっちの良さももっと見出せるんじゃないかと思う。
全体として、主人公パウラの「寂しさ」が強調されている作品じゃないかと思う。両親を病気で失い、親戚のもとに預けられるが、そっちもそっちで子どもがいるし、例え預けられた人が良い人でも、当人からすればよそ者意識は拭えないだろう。自分はこういう複雑な環境で生きてきたわけではないので、完全にわかったわけではないが、何となくパウラの寂しさがわかって胸が締め付けられる。
映画は、パウラが叔父とじゃれ合いながら急に泣き出すところで唐突に終わる。このラストシーンには色んな解釈ができるだろうけど、個人的には、あれは親戚の家に預けられてから、家族っぽいことを始めてしたことを実感して流した涙ではないかと思ってる。・・・でもなんかしっくりこないからもう1回見返そうかなぁ。
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