おこじょさん

悲しみに、こんにちはのおこじょさんのレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
4.5
6歳の女の子、フリダが見る人間社会とそこでの生き方を描いた作品。

この映画の中で大きい出来事が起こるわけではなく、叔父夫婦に引き取られた女の子の日常が淡々と進むだけ。
そういった意味では言葉での説明が少ないかなり余白の多い映画だけど、そこに沢山の伝えたいこと、考えさせられる事が詰まってた。子供、親目線どちらも共感できて痛々しかった。

母親という絶対の安心感を失って、必死にもがくフリダと、できる限りの事をしてあげたいけど手の焼ける養女を育てていけるか不安な叔父夫妻。
誰一人悪者がいない中だからこそすれ違いがまたもどかしく切ない。
この中で自分の子供時代を重ねたり、大人として子供と接する際の教訓にもなった。

それにしても子役たちはどこまでが演技なのだろう…!それぐらい自然体で恐怖すら覚えます。

どこを切り取っても絵になりそうな構図と配色美に暖かさを全体的に感じる映画でした。