悲しみに、こんにちはの作品情報・感想・評価

「悲しみに、こんにちは」に投稿された感想・評価

Kaoru

Kaoruの感想・評価

4.1
この映画を語れる人とものすごく仲良くなれる自信がある!

『大人は判ってくれない』と『ポネット』のちょうどまん中あたり。監督さんの長編デビュー作なのだけれど、ご自身の幼少期の体験を作品にしたのですって。

両親を亡くし叔父夫婦の家にあずけられたフリダちゃん。幼いゆえに自己表現は上手にできない。本人も自分の感情を扱えないでいる。そんな表現が本当に絶妙なの!

子供ってのは嘘をつくものよね。誰かに愛されたいと思ったときや、注目されたいときなどなど、ちょっとした嘘をつくのだけれど、嘘そのものではなく、嘘をつくしかできなかった背景や思いを想像すると痛烈に辛い。

あまり泣かない。そして言うことを聞かないわけではない。彼女だっていい子でいようと努めたはず。とくに、アナ事件からの、ママンの生理を気遣ってあげて…のくだり。自分だって、愛を表現するのはどうしたらいいか悩んでたのよね。

とっても印象的だったのが、映画に見入っていて、気づいたらエステバやマルガのことをパパママと呼んでいたこと。些細な言動から見て取れる心の動き。小さなことひとつひとつにハッとさせられる作品です。

近くなったり遠くなったり、嘘ついたり愛情に溢れたり、そんな喜怒哀楽を全開に放出するのが子供。だから、あの涙。あれにどれだけの意味が込められてるのかと思うと、本当に本当に素敵な作品だなぁと感じました♡

ちっちゃい映画館でしか上映してないと思うけれど、たくさんの人に観てほしいなぁ
ラウぺ

ラウぺの感想・評価

4.0
正直に言って、始まってしばらくはドラマというよりドキュメンタリーなタッチに慣れなくて、少々退屈な印象があります。
映像も演技を見せるというより、そこに居る登場人物の様子を、無造作に淡々と撮っているという感じに見え、セリフも気の利いた状況説明を伝えるようなものはなく、細切れな情報を少しずつ読み取って物語の全体像を理解していく必要があるのです。
この手法に慣れてくるのは物語が中盤以降に差し掛かってきてからで、序盤をだらだらと見始めたことを後悔しました。

フリダは母の死に際にも自宅で待機させられていて、母の最期の様子を知らず、亡くなった後も何度も検査に通うことに疑問と苛立ちを感じでいます。
人の死というものに漠然としたイメージしか沸かず、母を亡くしたことの意味をよく理解しないまま、叔父夫婦のところに連れてこられたわけです。
叔父夫婦には年下の幼い少女がおり、フリダはその扱いの微妙な違いに敏感に感づいて疎外感を味わっていくことになります。
とはいえ、最初は単にわがままで、ふてくされて自分勝手なようにしか見えません。かなりヤなガキです。
叔父夫婦の方でも、新たに来た少女をどのように扱って良いのか、葛藤と試行錯誤を重ねていく様子が描かれます。
ところが、見続けていくと、ごく自然な描写の積み重ねが、演技を超えたリアルな生活感と感情の微妙な機微を映し出していくさまは、途中から非常によく考えられた、繊細な配慮によってつくられていることに気づくのです。
監督の実体験が描写に生きていることが感じられました。

さまざまなちょっとした出来事を重ねていくうちに、フリダと叔父夫婦に微妙な変化が訪れてきます。
フリダがこれまで無くしていた、あることを取り戻したとき、思いがけず自分の内側から突然襲ってくる感情の爆発に大泣きしました。これにはヤラレタ。
これは傑作だと思いました。
candy

candyの感想・評価

3.9
悲しみというものも理解しないうちに起きた、母の死。
フリダがどのように受け入れ、成長していくのか。

両親の死という事実は知っている。ただ、それがどういうことなのか、受け止る術を持ち合わせていない。
叔父・叔母が素晴らしい。当時はエイズに対する理解も低いし、偏見も多かっただろう。それでも、フリダに対する、同情ではない本物の愛情をそそぎ、家族になっていく姿。

静かに心にしみる作品でした。

ヨーロッパの中で、スペインが最もエイズ発症者が多かったという事実は知らなかった。
思い出して、じんわり泣きそうになる。
バランス
新聞のエッセイで益田ミリさんが今年のベストワンと言っていたので鑑賞。

最近身内を亡くしているので始めから泣けましたが、映画自体は淡々と日常を追う感じ。


映画の中でカタロニア語が国語と言うあたり、スペイン映画と言ってはいけないのかもしれないけど、子供が主人公のスペイン映画と言えば「ミツバチのささやき」があったなあ、アナちゃん可愛かったけど、この映画のいとこのアナちゃんも可愛いな、なんて思いながら見ました。

ラストの肝心のシーン、私的にはちょっと編集が良くない感じがしました。ちと残念。
フリダは親をなくしたのに、年下のいとこと一緒で、その上その子のほうがかわいがれていて大変だよ……。長女なので、年上の子ども贔屓。
これもまた実話に基づくお話なのね。
まるでドキュメンタリーを観ているような自然な映画だった。
子供や家族の繊細な変化も自然。

悲しいから泣くのではなく、悲しみを乗り越えたから出る涙というのは希望に満ち溢れていて綺麗だった。
音も光も心も体も繋がりも別れもすべてが自然だった
撮った場所には目に見えないものがいっぱい詰まってそう
daidai

daidaiの感想・評価

3.8
今の幸せを感じた瞬間、ようやく、過去の悲しみに向き合うことができる。
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