ずどこんちょ

スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのずどこんちょのレビュー・感想・評価

3.7
《みんなの弟!トム・ホランド》版スパイダーマン2作目!
そして、MCU的にはフェーズ3のラスト、「アベンジャーズ/エンドゲーム」の後日譚に当たるわけです。

トニー・スタークに見出され、彼に導かれてサノスとの対戦にも挑んだ高校生のピーター・パーカー。
先の大戦で恩師だったアイアンマンことトニーが亡くなり、きっと多くの悲しみに襲われたことでしょう。それを乗り越えた今、彼にとっては目指すべきヒーローが失われた状態になっていました。
ピーターの頭の中はヨーロッパ研修旅行に参加して夏休みを満喫すること、MJに告白することでいっぱい。まぁ、それが高校生である彼の本来の姿ではあると思いますが。

ところが、ヴェネツィアでは水でできた巨大な怪物が登場し、街を破壊していきます。そこに現れたのは空を飛び魔法のようなエネルギーを操る謎のヒーロー、ミステリオ。ピーターは咄嗟に共闘しますが、その騒動が落ち着いた後、フューリーにミステリオと共に残りの怪物退治を依頼された時は任務を断ります。
ヒーロー活動よりも今は普通の青春の方が大事。というよりも、スパイダーマンとしての活動の重荷からも逃げているようにも見えます。
周囲の人々もピーターはトニーの意思を継いだ後継者のように見ています。しかし、ピーターにはトニーの次を担う覚悟が固まっていません。彼はまだ「親愛なる隣人」程度しか守れないと言い張ります。
それ以上の命を守る自信がないのです。

トニーから預けられた強力なサングラス。
それは、スターク社の武力や技術力を結集したAIであり、トニーから意思を継ぐ者に託された品でもありました。
ピーターはそんなAIの真価を使いこなすことができず、恋敵を排除する手段として私的使用することしかできません。
そして新ヒーロー、ミステリオにトニーにも似た頼れる面影を感じたピーターは大事なサングラスを移譲してしまうのです。
それが災難の始まりになるとも知らずに…。

亡きトニー・スタークの意思を継ぐ者、その後継者に適任なのは誰か。
ピーターがその力を受け継ぎ、実力的にも精神的にもその大きな重荷を背負う覚悟を固めることでフェーズ3が完結するとは、よく出来た筋書きです。
同時に、今回はゼンデイヤ演じるクールなMJとの恋模様もとても気になります。
臆病で普通の高校生ピーター・パーカーがヒーローとしても、そして一人の恋する青年としても成長する、フレッシュな若さに溢れる続編でした。

ちなみに今回、フューリーの後手後手感というか、窮地が多かったのはそういう理由でしたか。
最後まで見ると、より楽しくなるマーベル映画♪