りょう

スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのりょうのレビュー・感想・評価

3.6
 あまりにポスタービジュアルがシンプルなので、これが1作目と勘違いして観る順番を間違えるところでした。前作「ホームカミング」の続編のはずですが、あの「エンドゲーム」を経ているので、かなり物語が進展しています。少し記憶が薄れているので、「さっきリズに失恋したばかりなのに、もうMJに夢中かよ」とか、「メイおばさんに正体バレてどうなったんだっけ」とかで序盤につまづきます。
 その序盤にはアクションシーンがないので少し退屈です。しかもしばらく欧州に旅行中ということもあって、いつものスパイダースーツで活躍する場面もありません。心身とも傷ついてハッピーに助けられるまでは…。AC/DCをLed Zeppelinと間違っていますが、最近の高校生にはどっちが人気なのか気になります。
 そこから長尺のクライマックスになりますが、中盤までのタメがあったせいか、アクションのキレがかなりいいです。少し動体視力がよくないとついていけないほどにスピーディーで、縦横無尽のアングルの連続は圧巻でした。こんな無数の相手とたたかう場面はこれまでなかったかもしれませんが、ほとんど武器をもたないスパイダーマンとしては、かなり善戦しています。
 スパイダーマンのいいところは、少年のピーター・パーカーの日常生活が中心なので、組織や登場人物の相関関係とか、物語の構造が複雑にならないところです。あまり思考せずとも純粋に映画に没頭できます。
 前作から登場していたMJがヒロインに昇格していますが、その魅力は誰もが気づいていたので、まったく違和感ありません。彼女を演じていたゼンデイヤは、「DUNE/デューン 砂の惑星」でも少しツンとしたところが印象的です。
 エンドロールを終えたところのシーンは、「どこまでフェイクだったの?」と混乱しますが、すぐに「ノー・ウェイ・ホーム」を観られるので、あまり悩まないでおくことにします。
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