RIO

スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのRIOのレビュー・感想・評価

3.7
※少々ネタバレに触れていますので、新鮮な気持ちで観たい方は閲覧をご遠慮ください。

惜しい… 惜しすぎる!

キャスティング、演技、映像、音楽が文句のつけようがないほど素晴らしい。

ここだけを汲み取れば、MCUの中でトップレベルの出来だと思います。

が…
脚本がなんとも惜しい出来。

ピーターの成長、MJとの恋愛、ミステリオとの闘い、ヒーローとしての苦悩と葛藤などなど、色々なことに同時に触れるんだけど、どの部分にもあまり深入りせずに、淡々としたまま終わってしまった印象を受けました。

ミステリオとの戦闘(奇妙な世界に迷い込む)シーンは、アラジンでのジーニー登場シーンのような新鮮味溢れるワクワク感と、どんどんピーターが追い詰められていく底知れぬ恐怖感が上手くマッチしていて、とても好きだったのですが、
逆にそこしか、これといって見せ場がないほど、終盤の戦闘シーンがつまらない。

どんでん返しに思える展開も、大体予測はついたし、蛇足と感じる演出がとにかく多い上に、トーンがすごく軽い。

軽いのが悪いわけではないですが、もう少しトーンを重くし、ミステリオのキャラクター性を深く掘り下げ、彼との闘いに焦点を絞って、そこから徐々に苦悩や葛藤、恋愛などの話を広げていけば、
サム・ライミ版スパイダーマン2のような傑作的存在になりえたかもしれないと思うと、惜しいとしか言いようがありません。

悪い部分が目立ってしまいましたが、映像や音楽は本当に美しく、ジェイク・ギレンホールの演技が何より素晴らしかったです。

ゲームや過去作のオマージュ、様々なトリビア、メッセージが組み込まれた、前作に劣らず良く出来た秀作だと感じました。

サム・ライミ版とのクロスオーバーに期待大です❗️


ストーリー  ★★★☆☆
キャラクター ★★★★☆
演技     ★★★★☆
映像     ★★★★☆
演出     ★★★★☆
音楽     ★★★★☆
RIO

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