ヤッター

スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのヤッターのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

◯MCU版スパイダーマンといえば瑞々しい青春描写!観ているこちらが思わず“ムズムズ”するような学生生活パートは、20年分の思いがこもったフルコース『エンドゲーム』のシメに最適のサッパリとした口当たり。
シメでもあり始まりでもある本作、きちんと鉄の意志は継承されます。トンカチでカンカン打ってはいないけど、自分でスーツを作り上げるシーンはハッピーの選曲も相まってアガる!ツェッペリンサイコー!!(違

◯サノスという最大のヴィランの後ということもあって、今回のヴィランはMCU初期作品に戻ってきたというか、ああ、人間の敵は人間だったわと、逆に新鮮な感じ。ミステリオのチームは、MCU世界における技術のリアリティラインの中で、人知を超えた驚異の自然現象を見事に実体化させてました。この辺は、そもそもが作り物である映画の中で作り物の現象を引き起こすということで、何がその世界での現実なのかクラクラしてくるんですが、それが逆に悪夢的な怖さをこちらにガンガン伝えてきます。中盤のベルリンでのシーン、サイコーでした。

ここ最近、登場人物の至らなさや未熟さにイライラしてしまうということがしばしばありました。無意識に、「主人公ならばちゃんとしてる」「俺のできないことをやってのけてくれ」というように、自分のできないことをヒーローである主人公たちに求めすぎていたのかもしれません。でも、ピーターという自分よりも10歳も下の青年が、1人が背負うのには重すぎる問題に直面したら、そりゃ悩むわなって。自分の生活を取り戻したかったら、スコットだってああいう行動するよなって(アントマン&ワスプ参照)。そういう人間くさいヒーローたちだからこそ、近しい存在として応援できるんだと、本作を観て強く感じました。
風呂敷の広げ方がエグいラスト数分ですが、続編のアナウンスは未だなし。これで終わりとか言わないでよ!早く続き見せてー!!
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